2026年 美食都市アワード受賞都市発表
地域の食文化と創造性を讃える
2026美食都市アワードに輝いたのは
余市町・八戸市・飛騨市・日田市
| 余市町 (北海道)
北海道余市町は、日本を代表するワイン産地として国際的な評価を獲得している美食の街です。ピノ・ノワールやシャルドネなどのワイン用ぶどうの栽培が盛んで、町内のワイナリー「ドメーヌ・タカヒコ」のワインは世界の名だたるレストランのワインリストに掲載されるなど、その品質は世界的に認められています。
2018年以降、「ワインで一点突破」を掲げた町長のリーダーシップのもと、農家への補助金制度や生産者支援など、ワインを軸とした地域振興策を展開しています。自治体が主導する戦略的な取り組みにより、ワイン産業を核とした地域経済の活性化が着実に進み、9月に開催するワインフェスティバル「ラ・フェト」は発売と同時に入場券が完売するほど。
また、ニッカウヰスキー余市蒸溜所をはじめとする食と観光が融合した地域資源が豊富で、国内外からの観光客の誘致にも成功しています。地元産ワインと食材のマリアージュを楽しめるレストランやイベントの開催など、食を軸にした新たなビジネスや文化の創出が進んでおり、地域固有の文化と食の魅力を最大限に活かした美食都市として高く評価されました。
| 八戸市 (青森県)
青森県八戸市は、太平洋に面した日本有数の水産都市であり、豊富な水産資源と独自の食文化で知られています。地元産の魚介や農産物を活用したレストランが数多く展開され、観光資源としての食文化の発信に力を入れています。
こうした動きの一つとして「八戸ハマリレーションプロジェクト」は、地元水産業者、レストラン、観光事業者が連携し、八戸産魚介を使った「八戸ブイヤベースフェスタ」などのイベントを開催しています。このプロジェクトは、水産業と観光業の垣根を越えた連携を実現し、食を通じた新たな地域の魅力を創出しています。
また、朝市や横丁体験、地元食材を使ったメニューなど、八戸ならではの食体験を観光資源として整備し、食文化体験型ツアーを通じて多くの来訪者を惹きつけています。フードフェスティバルやまちづくりを通じた食と観光の融合が、地域活性化に大きく貢献しており、持続可能な地域経済への寄与が評価されました。
| 飛騨市 (岐阜県)
岐阜県飛騨市は、飛騨山脈にいだかれ、市の面積の93%が森林、その7割が広葉樹という豊かな自然環境の中に歴史を感じる古い街並みが存在し、高冷地特有の寒冷な気候が育んだ独⾃の「塩蔵⽂化」を背景に、多様な⾷材と郷⼟料理が根付く美食の街です。
清流が育む「飛騨のお米」は米の食味コンクールで上位の常連となっており、きめ細やかな霜降りがとろける「飛騨牛」の品質は全国的に知られています。市内を流れる2つの川の鮎は首都圏で非常に高い評価を得るなど、飛騨市の食材は近年注目されています。
同市はこうした地域の食材と伝統を大切にしながら、減塩プロジェクトや市内に245種以上が自生する「薬草」の取り組みを通じて、食と市民の健康の両立にも注力し、官民一体となった取り組みは高い評価を得ています。また、地域の困りごとを交流資源に転換する「ヒダスケ!」プロジェクトでは、農作業や⾷の現場を市内外の参加者と共有する交流人口の仕組みを構築し、「まちづくりアワード国⼟交通⼤⾂賞」など複数の賞を受賞しています。
⽣産者、飲⾷店、市⺠が⼀体となり、生産者とその⾷材にスポットをあてながら、食材や郷⼟料理の魅⼒発信、「まるごと食堂」などのフードフェスティバル、体験型イベントの開催を推進しています。⾷を軸としたプログラムの造成や、交流⼈⼝・関係⼈⼝の拡⼤、地域資源の循環利⽤など、持続可能なまちづくりを実践している点が⾼く評価されました。
| 日田市 (大分県)
大分県日田市は、阿蘇、くじゅう山系、英彦山系の美しい山々に囲まれた豊かな自然環境を背景とした、多様な食材と郷土料理が魅力の街です。豊富で良質な地下水を使った大手ビール工場や焼酎の蒸留所、ミネラルウォーターや氷雪工場が立地するなど、水の恵みが食文化と産業の基盤となっています。この豊かな水資源や自然環境、気候風土が育んだ日田梨やスイカ、ぶどうなどの果物をはじめ、鮎やうなぎに加え、「たらおさ」や「たか菜巻」といった郷土料理、さらには「日田やきそば」といったご当地グルメなど、地域に根付く多彩な食が訪れる人々を惹きつけています。
重要伝統的建造物群保存地区に選定された豆田地区には、江戸時代の幕府直轄地「天領」として栄えた往時の面影が残り、歴史ある町並みを散策しながら食を楽しむという、他にはない美食体験を提供しています。伝統的な食文化と現代的なアレンジが融合し、訪れる人々に新たな食の魅力を発信しています。
市では「日田市観光振興基本計画」を策定し、一般社団法人日田市観光協会が地域DMOとして機能することで、官民一体となった観光地経営とガストロノミーツーリズムを推進しています。地元食材を使った料理と体験を組み合わせた滞在型観光の充実にも取り組んでおり、全国に、世界に日田の多面的な魅力を発信し、持続可能な観光地経営を目指す先進的な取組が高く評価されました。